2014年度売電価格32円!採算は取れるのか? | 産業用太陽光発電

By | 2014/02/28

2014年度売電価格『住宅用』37円『産業用』32円!

2014年度売電価格表2014年度の売電価格が決定しました。

住宅用:38円⇒37円
非住宅用:36円⇒32円
※2014年4月から

売電価格は毎年引き下げられていますが、今年は住宅用が去年までの引き下げとは違い当初34円の予想だったにも関わらず1円引き下げの「37円」にとどまりました。

産業用は4円引き下げて「32円」となりましたが、なぜこの様な引き下げ価格に違いが出たのでしょうか。

2014年度売電価格『住宅用』はなぜ37円に?

なぜ住宅用は1円の引き下げにとどまって、産業用は予想通りの4円の引き下げになったのでしょうか。

それは住宅用に支給される補助金が2014年4月で打ち切りになったからです。

調達価格等算定委員会では、補助金打ち切りに伴う救済措置と説明しています。

昨年度2013年度1kWあたり40万円で太陽光発電を導入した場合、
国からの補助金【1kW:2万円】
地方自治体からの補助金(平均)【1kW:3.5万円】
1kWあたり合計5.5万円の補助金が出た為、34.5万円で導入できました。

この初期費用5.5万円/kWの補助金が無くなる事を考慮して、4円の引き下げではなく1円の引き下げにとどまったのです。

住宅用に関しては、補助金が無くなることは単純にマイナスポイントですが、下記のグラフの様に、導入費用は毎年低価格化しており、補助金が支給されなくても前年度よりも安く購入出来ています。

太陽光発電見積もり売電価格

上記グラフからわかる通り、
『住宅用』売電価格が1円引き下げられたマイナスの影響は、システムの低価格化と、高性能化によって家庭への経済的な影響は無い、むしろ経済的メリットは大きくなったと言えます。
※昨年比で見た場合、初期費用の回収年数が短くなっている為です。

今後は売電価格が半年に一度見直される事も検討されており、売電価格は更に引き下げられて行くことは間違いないでしょう。

太陽光発電システムの低価格化も限界に来ており、これ以上の低価格化は難しいのが現状です。

※初期費用を抑える「ちょっとした裏情報」を記事にしていますのでこちらも参考にして頂ければと思います。
見積もり時初期費用を抑えたい方必見!業界の『裏話』

産業用は32円で採算は取れるのか?

産業用に関しては元々補助金はありませんので、システムの低価格化と、普及スピードを考慮しての「妥当な」価格引き下げになります。

住宅用が1円引き下げでとどまってくれた中、産業用は2014年4月から売電価格は4円引き下げの32円になりました。

果たして36円から32円になったことで、今後採算は取れるのでしょうか?

2015年現在(32円で計算)と1年前の2013年3月(36円で計算)のシステム単価でシュミレーションを行ってみました。

【2013年3月(36円で計算)】

システム:50kW(発電効率15%のパネル使用)

年間想定売電収入= 59,500kWh ✕ 36円 =214万円
20年間=4,280万円

設備費用 = 36.9万円/kW ✕ 50kW = 1,845万円
4,280万円 − 1,845万円 = 2,435万円
20年間総利益 = 2,435万円

【2015年現在(32円で計算)】

システム:50kW(発電効率20%のパネル使用)

年間想定売電収入= 79,333kWh ✕ 32円 =254万円

20年間=5,080万円

設備費用 =32.0万円/kW ✕ 50kW = 1,600万円
5,080万円 − 1,600万円 = 3,480万円
20年間総利益 = 3,480万円

売電価格の引き下げにより単純にマイナスを想像しそうになりますが、2015年現在のシステムの方が20年の総利益は約1000万円も多くなりました。

この実際に稼働しているシステムで行ったシュミレーションで、なぜ1000万円もの差が生まれたのかを、2013年3月⇒2015年でどのような作用が働いたかで解説します。

【マイナスポイント】

売電価格が36円/kWh ⇒ 32円/kWhに引き下げられた。
売電収入の減少

【プラスポイント】

ソーラーパネルの発電効率が15%から20%へ高性能化。
発電量の増加売電収入の増加

システム単価が36.9万円/kWから32.0万円/kWに低価格化。
初期費用の低価格化

東芝やシャープ等国内大手メーカーのソーラーパネルの1年前の発電効率は15%前後ですが、2015年現在の発電効率は格段にアップしており、19.0%〜東芝のソーラーパネル(サンパワー社製)に関しては現在世界一の発電効率20.1%のパネルも販売開始となりました。

パワーコンディショナーも飛躍的に変換効率がアップしており、現在産業用太陽光で人気No.1のドイツSMA社製で98.0%の変換効率まで性能がアップしています。

単純にソーラーパネルの発電効率が15%から20%にアップしたことで、年間の発電量は59,500kWh⇒79,333kWhと大幅にアップしています。

それに加え、システムの低価格化です。

経済産業省がまとめた資料の2013年3月の10kW〜50kWのシステム単価は36.9万円/kWです。

現在は32.0万円/kWまで低価格化しており、30万円を切るシステムも随分増えてきました。※上記のシュミレーションでは32.0万円/kWを適用しています。

売電価格が36円のままなら更に売電収入は増えるのですが、32円に引き下げられて、この部分は単純にマイナス要素です。
しかし、そのマイナスを大きく上回る高性能化、低価格化が発電事業者の背中を強く押してくれて、トータルの収益は昨年度比でアップしています。

売電価格は『半年に一度』見直される可能性も?

今後は、上記のような観点から、普及の勢いは止まらないと想定されています。

普及の勢いが止まらないと、どのような事が考えられるのか?

一般家庭(太陽光発電を導入していない家庭)への負担が電気料金の値上げという形でどんどん大きくなっていきます。

そこで2013年10月25日、横浜で行われた講演会にて「調達価格等算定委員会」の委員長を務めている植田和弘氏が「売電価格は半年に一度変えてもいい」と述べ、売電価格の引き下げを早めたい考えを示しました。
急速に太陽光発電が普及したことによる、一般家庭への電気料金負担が大きくなる一方の現状を、今後は更に細かいスパンで検討するべきだという考えは今後具体的になっていきそうです。

『システムの低価格化』も『システムの高性能化』も今は進んでいますが、
限界があります

パワーコンディショナーの変換効率は98%に到達しており、今後大きな性能アップは見込めません。
ソーラーパネルの発電効率は世界最高の東芝(サンパワー社製)で20%ですが、果たして今後どこまで伸びるのでしょうか。
低価格化もそろそろ限界とも言われており、大規模発電所メガソーラーは値上がりを始めています。

太陽光発電の導入を検討されている方で、「初期費用を抑えたい方」「最安値で購入したい」方は、少しではありますが、業界の裏話を記事にしていますので、ご参考にして頂ければと思います。メリットとデメリット

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4 thoughts on “2014年度売電価格32円!採算は取れるのか? | 産業用太陽光発電

  1. nanasi

    【2013年3月(36円で計算)】
    設備費用 = 36.9万円/kW ✕ 50kW = 1,845万円

    【2014年3月現在(32円で計算)】
    設備費用 =32.0万円/kW ✕ 50kW = 1,600万円

    この辺が実際に野立てをやってる人と差が大きいのでやる場合は良く考えるようにね。
    産業用野立ては保証と回収の観点から海外製がメイン。

    現在でも25万円(以下)/kw×50kw=1250万円以下が基本ですよ。
    (付帯工事、保証、保険全て込み、ただし電力の方は別)
    海外製パネルで、この金額より高い人は少し高い買い物をしていますね。
    海外製のパネルは価格が底打ち気味、効率も頭打ち。
    32円になっても、もう大きくは変わらないでしょう。
    少なくとも、利益が減る事はあっても増える事はありません。
    それでも、まだ投資対象としては有効と言った所でしょうか。

    Reply
  2. 管理人 Post author

    コメントありがとうございます。
    実際の発電事業者さんでしょうか、大変お詳しいです。
    おっしゃる通り、現在では50kW規模でも25万/kWというシステムが増えてきました。
    私の計算式に用いた数値は経済産業省が発表したコスト平均値ですので、実際の市場価格よりも高めです。nanasiさんがおっしゃる通り、「価格は底打ち」「効率も頭打ち」です。こうなるとどれだけ高い売電価格で契約出来るかが鍵になってきますので、「早い者勝ち」の状況はより一層強くなってきています。これから太陽光発電を検討されている方は、情報収集だけでも早めに行っておく事をおすすめします。

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