太陽光発電プロジェクトファイナンスとは?

By | 2015/11/24
太陽光発電プロジェクトファイナンス

太陽光発電のプロジェクトファイナンスとは?

太陽光発電でも、産業用太陽光発電やメガソーラーの様に、MWクラスの発電所を建設するためには、億単位の初期投資の必要があります。

いくら適した土地、発電システムを持っていても、資金がなければ売電事業は成立しないでしょう。

そこで強い味方になるのが金融機関の仕組みを利用して、資金を集める方法です。

固定価格買取制度を利用した、メガソーラービジネスは事業リスクが小さいこともあります。

金融スキームがそれによって動き出しています。ここではメガソーラー向けでもあるプロジェクトファイナンスについて解説していきたいと思います。

プロジェクトファイナンスとは?

通常、企業が借入をする時、企業全体の信用力を基本に借入審査が行われます。一般的には物的担保を取り、ローンは遡求権(リコース)付きで組まれます。

プロジェクトファイナンスの場合、ある特定の事業から上がる予想収益を基礎とし、借入が行われます。担保になっているのはその特定事業の資産全てであり、スポンサーからが追加の担保をとりません。

ローンはスポンサーに対して遡及をしないノンリコースローンになります。

プロジェクトファイナンスでは、金融機関は企業が行おうとする事業の将来予想により深く関わっていて、そのリスクを負担しています。

このリスク負担に対応してより高い収益を期待できると言うことになります。

このようなリスク負担を分散させる為に事業内容を開示して他の金融機関の参加をも飲めることが一般的なプロジェクトファイナンスです。

太陽光発電におけるプロジェクトファイナンスの事例

国内でのメガソーラー向けのプロジェクトファイナンスの先行的な事例として、大分の「日産グリーンエナジーファームイン大分」です。出力26.5MWのメガソーラーは総事業費約80億円にもなる事で、プロジェクトファイナンスでの資金調達を行いました。

既に海外でのメガソーラー事業のプロジェクトファイナンスを担ったみずほ銀行を幹事として、大分銀行、豊和銀行、福岡銀行と共にシンジケートを組むことになりました。

プロジェクトファイナンスによるメガソーラー事業は事業主体としてSPCを設立、出資企業がSPCに出資する形態が多くなります。

SPCはメガソーラー事業に限定した事業を行なう組織で、形態は株式会社など様々です。

SPCにすることで倒産リスクが隔離され、出資企業にまでいかないメリットがあります。

IRR(内部収益率)が15〜25%に!高まる意味とは?

一般的にみたプロジェクトファイナンスで、事業に必要な資金のうち、20〜30%をスポンサーが自己資金から出す事が多いです。残った部分をプロジェクトファイナンスにより借入金で補う事が多いです。スポンサーにとっては借入金の割合を増やす事で、自己資本の収益性が高くなります。

メガソーラー事業で話題に上がるのが、IRR(内部収益率)ですがIRRの中にはプロジェクトIRRとエクイティIRRがあります。

IRR8%と言う時には、プロジェクト全体の投資対効果を見るプロジェクトIRRを言います。

エクイティIRRは自己資本の投資効果を見るもので、借入金がない場合は、プロジェクトIRRと同じ意味になります。

プロジェクトファイナンスでは、事業資金の半分以上を借入金で補います。

これにより、エクイティIRRが高まります。

一般的にプロジェクトIRRが8%程度の場合、7〜8割を借入金で補えば、エクイティIRRは15〜25%まで高まります。

プロジェクトファイナンスで組めない場合も

スポンサーにとって、自己資金の割合が少なくプロジェクトファイナンスで事業資金を補う事でエクイティIRRが高まります。事実、プロジェクトファイナンスを扱う銀行には自己資金のないベンチャー企業などのメガソーラー事業での相談もあります。

しかし、金融機関にとってこういった企業は、メガソーラーの事業としての質が高くても、融資しない事があります。

その理由として、スポンサーが事業資金の20〜30%を負担する事で、銀行のリスクが軽減される事とスポンサーがある程度のリスクを負担することで事業の持続性が高まるという考え方があるからです。

他にもスポンサーが個人に近い場合なども組織力がない、事業を支える体制がない場合などは20年のプロジェクトファイナンスを組むことは出来ない場合もあります。

スポンサーサポート契約が必要

条件クリア後も、最終的な融資が実行されるまでには金融機関と一緒にリスクの特定、対策をする順序が必要になります。固定価格買取制度でのメガソーラー事業の場合、20年間の買取価格が決まっています。

売電収益が予想しやすい反面、長期間のリスクも考えなくてはいけません。

そこで必要なリスクを出し、それぞれのリスクに通じた当事者に負担をする調整を重要としています。

建設に関してはEPCサービスを設備管理には保守やメンテナンス企業と契約を結び、それぞれの責任の範囲を明確にする必要があります。

また、自然災害のリスクに関して保険会社との契約も必要になります。

プロジェクトファイナンスでは、金融機関の力がとても大きいです。

融資実行においても常にバンカビリティ(融資適格性)を問われます。

スポンサーサポート契約の厳しさとは?

SPCが健全に事業運営を行なう為に、必要な業務履行を銀行に約束することが多いです。誓約違反などで銀行に損害を与えた場合、スポンサーに損害賠償を求める事が内容に記載されている事もあります。

スポンサーは追加出資を求められるケースもあります。スポンサーがどれだけSPCをサポートするのかなどは、金利水準にも影響します。

以上の事から、プロジェクトファイナンスでメガソーラー事業を行なう為には相対的なリスクが少ない収益性の高いMWレベルの規模とスポンサー側の多額の自己資金や事業体制が強く求められることになります。

また、スポンサーサポート契約なども強いられ、契約違反などにも厳しい規定がありますので、追加自己資金の負担があることも視野に入れる必要があると言えますね。
メリットとデメリット

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