太陽光発電の出力制御(抑制)機器ってなに?今後はどうなるの?

By | 2016/11/18

ソーラーパネル

太陽光発電の普及率から見る出力制御の流れ

日本において太陽光発電が本格的に広まったのは2011年3月11日に起こった東日本大震災の福島原発事故が影響しており、一般家庭でも積極的に導入が始まり、現在の普及率は2世帯以上のご家庭の6.6%と言われています。

数字で見るとそこまで大きな普及率とは言えませんが、売電可能な電力会社の接続可能量は限られているため、地域によっては出力を制御しなければいけなくなりました。

多くの企業や一般家庭は「売電」によって収益を得ていますが、2014年に九州電力にて売電の接続可能量がオーバーする事態が発生しました。

特に日射量が多い九州地方における再生可能エネルギーの接続量は約1,260万kWを超えるほどになり、需要よりも供給量の方が多くなる事態となってしまったのです。

これにより、九州電力では新規の接続申込みを休止することとなり、続いて北海道電力や四国電力などにも広がりました。

つまり、あまりにも太陽光発電の売電が増えてしまったため、需要と供給のバランスが崩れてしまったのです。

そこで登場したのが太陽光発電の出力制御(抑制)機器であり、遠隔操作によって電力の出力を制御し、電力会社が電気を買うのを拒否することが出来るようになりました。

出力制御ルールが変更

2015年、需要と供給のバランスを正常な状態にしようと、再エネ特措法が改正されることとなり、同時に出力制御ルールも変更されました。

「出力が制御されてしまったら収益を得られない」と不安に思われる方もいらっしゃるかと思います。

こういった太陽光発電設置者に対して、きちんとしたルールが決められなければ、私達の日常生活に大きな悪影響を及ぼしてしまう可能性も、不安も消える事はありませんよね。

そもそも出力制御とは?

発電した電力は、いつか使う時のために備蓄しておくことが出来ないため、発電したらすぐに使わなければいけません。

電気を使う量、そして作る量をバランスよく維持するのも電力会社の役割であり、このバランスが崩れてしまうことで、設備に悪影響を与え、最悪の場合、大規模な停電を引き起こしてしまう可能性もあります。

このような事態を起こさないよう、電力会社では需要と供給のバランスを維持するために出力制御を行います。

出力制御が必要となった場合、パワーコンディショナーから送られてくる出力を抑制しなければいけません。

つまり出力制御というのは、私達が安定した電気を使うために必要不可欠なものなのです。

出力制御機器とは?

太陽光発電太陽光発電の出力制御機器とは、パワーコンディショナーの出力を抑制する機器のことであり、これは電力会社の電力安定供給を目的として設置されるものです。
実はこれまでのパワーコンディショナーには自立して出力を抑制する機能は付いていませんでした。

このことから、電力会社からしてみれば「もう電力は必要ありません。送ってこないで」と思っていたとしても、それを止めることが出来なかったのです。

しかし2015年から始まった新しいルールにより、一部の電力会社に売電をする場合には出力制御対応機器の設置が義務となりました。

出力制御機器は遠隔操作可能

出力制御機器を設置したとしても、抑制が必要になった時にわざわざ電力会社から各ご家庭に連絡したり、担当者が訪問している余裕はありません。

ですから出力制御機器というのは、遠隔操作で出力の制御を行うことが出来るようになっています。

これにより、電力会社のタイミングでいつでも出力制御が可能になります。

出力制御機器の価格

不満出力制御機器の価格についてですが、一般家庭の発電量10kW~50kW未満で1kW毎に17,000円程度となります。
電力会社の設備の問題ではありますが、太陽光発電を設置している企業やご家庭が設備費用を出すこととなっており、不満を感じる方も多いかと思います。

しかも出力制御機器設置を義務付けられないケースや電力会社もあるため、不公平感を感じてしまうかもしれません。

しかしその点については、きちんと国により議論され、不公平を無くす処置が確立しています。

売電価格の違い

出力制御機器による不公平を無くすため、出力制御機器の設置義務がある電力会社と無い電力会社とでは、売電価格に差を設けています。

東京電力や中部電力、関西電力などでは、50kW未満に限り出力制御機器の設置義務が無いため、売電価格は1kWhで33円に設定されています。

これら電力会社以外のエリアで出力制御対機器の設置義務がある場合には、1kWhで35円となります。

つまり売電価格に差が付けられていることで、出力制御機器設置の負担を軽減してくれるのです。

今後の出力制御はどうなるのか?

ソーラーパネル出力制御をしなければいけない状態であっても、既に売電収入を目的とした太陽光発電設置者に対して、「太陽光発電は止めましょう」というワケにはいきません。

また今後も太陽光発電の普及はどんどんと広がっていきます。

そのためには電力会社が持つ電力網をさらに整備し、蓄電能力の向上が必要です。

特に蓄電能力の向上は最優先課題であり、この能力が高まることによって、太陽が出ていない夜間や天候の悪い日でも太陽光発電を十分に活かすことが出来るようになっていくでしょう。

その結果、過剰な出力制御をする必要が無くなる可能性だって十分考えられます。

では現状から見て、10kW以上の産業用太陽光発電の導入を検討する場合、各エリア毎に今後どのような対応をしていけば良いのでしょうか?

北海道電力、東北電力、四国電力、九州電力

北海道電力、東北電力、四国電力、九州電力では一時期、新規買取の規制が入るほど出力が制御されており、現段階では将来的にどの程度まで買取り出来るのかの目処が立っていない状態だと言えます。

現在は新規買取も再開していますが、もしこれから、このエリア内で産業用太陽光発電の導入を検討していらっしゃる方がいれば、一度地域の太陽光発電販売店に聞いてみる事をおすすめします。

または他の電力会社エリアで購入する事も一つの方法です。

確かにこれらエリアはたくさんの発電量が得られますが、日本は全国的に発電量の高い地域があります。

是非とも建設場所の再検討をしてみてはいかがでしょうか。

その他エリアは?

上記エリア以外でしたら、特に大きな影響はありませんので、そのまま計画を進めていっても問題無いと思います。

ただし、これから先、海道電力、東北電力、四国電力、九州電力のように、規制が行われる可能性は考えられます。

少しでも早くに設備認定を受け、その後、資材の発注や建設を進めていく事が最も大切です。

新電力への売電も同じ事

「従来の電力会社に売電するから出力制御されてしまう。だったら今後は新電力へ売電すれば良いのではないか?」とお考えの方もいるようですが、どちらに売電したとしても、出力制御は必要です。

同じ電力網に接続しているので、出力制御のルールはどちらにも適用されるのです。

出力制御機器は、電力の需要と供給バランスを維持するためには絶対に必要なものです。

しかし今後の技術の発展により、出力制御機器が必要無くなる可能性も十分に考えられます。

それまでは国が決めたルールを理解し、納得する必要があります。

技術大国日本ですから、きっとこの大きな問題も良い方向に進むと期待しようではありませんか。

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